神々の御神徳と日本神話の世界

私たちが日々何気なく暮らす中にも、心の奥底では「見えない存在」の影響を受けているのではないでしょうか。神社に祀られる神々の御神徳(ご利益)を知ることで、日本文化や精神性への理解も深まります。


🔷 大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)

「ダイコク様」として親しまれ、古事記や日本書紀にも多く登場する神様です。
国土神・福の神・縁結び・商売繁盛・医療・農耕・温泉・醸造など、実に多様な御神徳を持ちます。

「因幡の白兎」の神話では、優しさと慈悲の心を持つ神として描かれ、少彦名神と共に国土を築き上げた存在です。

また「神素戔嗚尊」の六世孫とされ、多くの神々の父でもあります(八重事代主神、建御名方神など)。


◉ 幽冥主宰大神(かくりよしろしめすおおかみ)

大国主大神は、天照大御神から「幽冥の神勅」を受け、目に見えない世界=幽界を治める神とされました。
精神的・霊的な苦しみを救い、神事や目に見えぬ働きの守護者として尊ばれます。


🔹 八重事代主大神(やえことしろぬしのおおかみ)

「恵比須様」とも呼ばれ、大国主大神の御子神とされています。
商売繁盛・家庭円満・豊漁・海運守護・託宣の神であり、皇室とも関わりの深い存在です。


🔹 天照大御神(あまてらすおおみかみ)

伊邪那岐神が禊をした際、左目から生まれたとされる太陽神。
伊勢神宮内宮の主祭神で、皇室の祖神でもあります。

五穀豊穣・産業振興・開運招福のご利益があるとされ、日本神話の中心的な存在です。


🔴 造化三神と創造の神々

◉ 天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)

天地開闢(てんちかいびゃく)の際、最初に現れた宇宙の中心神。

◉ 高皇産霊大神(たかみむすびのおおかみ)

生命の息吹を司る神。「神王高御魂命」とも称されます。

◉ 神皇産霊大神(かみむすびのおおかみ)

農耕や生産を司る神。「神魂命」として出雲大社の創建にも関与したとされます。


🔴 神素戔鳴大神(かむすさのおのおおかみ)

黄泉の国から戻った伊邪那岐神の禊の際、鼻から生まれた海の神。
高天原での騒動の後、地上に降り「八岐大蛇(やまたのおろち)」を退治し、国土を治めた勇敢な神です。

災厄除け・農業・開拓・縁結び・酒造など多くの御神徳を持ちます。


🔴 大物主大神(おおものぬしのおおかみ)

大国主大神の「幸魂・奇魂」として顕現し、三輪山に鎮座される神。